年の瀬に饅頭作り
Yuko ブログ, おいしいアメリカブログ

年の瀬に饅頭作り。むずかし~い!

今年もあと残すところ数時間、年の瀬が迫ってきた。日本を離れてからも、まあほぼ毎年形だけのお節は手作りするようにはしていて、特に近年は我が子に日本の正月の伝統を伝えることを第一の目的に、きっちり正月をするようにはしている。ここサンディエゴでは、ほぼ食材も揃うので、お節作りはどおってことなくできるのだが、一つだけ今年新たにチャレンジしてみたのが、お饅頭作り!

京都で生まれ育った私は、毎年母が彼岸におはぎを手作りしていた以外は、ホームメードの和菓子など食べたこともない。それに、周りでもお饅頭を作ったなどということは聞いたこともない。というのも、巷には美味しい和菓子やさんがたくさんあり、特に正月となるとみんな奮発して老舗の一個何百円とするような生菓子を調達してくる文化。正月に手作り和菓子なんて、「なんでそんなことするん~!?」と珍しそうに見られるのは決まっているし、「よっぽど家計が大変なんやろうか。」と心配されるかもしれないくらい。前にも言ったことあるように、それほど「餅は餅屋で」の京都文化で育った私。

お節料理は自分で家庭の味が作れるし、食材はなんとかなるけど、一つだけど~してもアメリカで手に入らないもの。それが、おいしい和菓子。日系のスーパーには、それっぽい饅頭や羊羹や生菓子も並んでいるけれど、どれもお金を払ってまで食べたいと思わない。ここ数年毎年秋に日本に帰っていたので、その時に正月用の羊羹などを調達したり、頂き物の「とらや」の羊羹を正月用に残しておいたりしたのだが、今年は日本にも帰ってないし、なんにもない~!!と気がついたのが3日前。どうしてもスーパーの和菓子が買えなかった私は、日系スーパーで北海道産の小豆と上新粉を購入した。

とはいえ、これで何をつくるという計画もまったくなし。餡子もろくに作ったことなどない。レシピをいろいろ見てみたが、どれも面倒くさいステップが多かったりして、なかなか意欲がでない。正月なのでこし餡が食べたいところだけど、裏ごしが面倒なので、とりあえず小豆を茹でてそれをハンドタイプのブレンダーで鍋の中でつぶし、自分流のつぶし練り餡のようなものを作ってみた。裏ごししてないので、こし餡ではないし、粒餡でもない。まあでも材料はシンプルなので、一応餡子の味するし、これでいいだろうと作り置きしたのが29日のこと。冷蔵庫で眠っている餡子をみながら、「作ったもののどうしよ~。」と今朝まで悩んでいた。

まあ細かいことは考えずに、とりあえずお饅頭ができればいいやとちょっとやる気が出たのが今朝。お煮しめや黒豆など午前中にしかけてしまうものを終えた後、午後から饅頭づくりに取り組んだ。どうやら、上用饅頭ならできそうかなとレシピを見てみる。上用の皮の部分には、大和芋が使われていることを初めて知った。レシピには、大和芋か山芋と書いてある。どっちもない。あるのは、メードインアメリカで安いからとお煮しめとお雑煮用に買ったタロ芋のみ。これをすりおろして上新粉と混ぜるのだが、タロ芋ってそんなに粘りあったっけ~?と不安になる。

とりあえず、上新粉のパッケージの裏側に書いてある上用の作り方に沿って始めてみることに。

年の瀬に饅頭作り

すりおろしたタロイモと砂糖。まずまずの粘々感。

作り置きしておいた、自家製つぶし餡をコロコロと手で一口サイズの円形にまるめる。

年の瀬に饅頭作り

餡子はまずまず。ここまではOK!

これからが正念場!さっき練った芋と砂糖に上新粉を加えたものを、打ち粉をひいた上で円形にして餡子をくるむという作業。とにかく、ベトベトで、打ち粉をたっぷりしてるのに、手にベトベトにくっつく。写真なんてとってる余裕はまったくなし!ひえ~・・・と悲鳴をあげるほど。よっぽど、ここでやめて、餡子だけ食べようかと思ったことか・・・。それでも、なんとか丸めて餡子を包んでみた。見かけは最悪。これじゃあ、お饅頭というより、あん餅よりひどい。

年の瀬に饅頭作り

ひどい形の饅頭たち。粉だらけで、ボテボテ。

蒸し器に入れる前に、もう一度手でコロコロして形を整え、とりあえず蒸してみた。蒸しあがりは、う~ん・・・なんというか、ちょとは饅頭っぽくなったか?

年の瀬に饅頭作り

蒸しあがり

まあ蒸してみたら、「こんな饅頭もあったっけ~?」と思うような仕上がりに。でも、私の知ってるいわゆる「上用饅頭」とは程遠い。どうやら、上用は特に和菓子職人の腕の差が出るお菓子だそうで、上用のウマさによってその和菓子屋のレベルがわかるのだそう。あらためて日本の和菓子の奥の深さを知った気がした。こんな饅頭くらいで・・・と思うかもしれないけど、本当にむずかしいと思ったから。

年の瀬に饅頭作り

皿にもると、まあそれっぽくなったか・・・

肝心のお味はというと・・・、意外とおいしい。皮がモチモチしていて、私の知っている上用饅頭の下ざわりもある。餡子は粒餡とこし餡の中間くらいだけど、自家用なので誰も気にすることはない。甘さもちょうど良し。「これ、いけるわ~。」とちょっと自己満足。

お節の用意も後はお重に詰めるだけなので、自家製饅頭を味見しながらコーヒー&ブログブレーク。明日の元旦は、ちゃんと煎茶を入れてこの和菓子をそれっぽくいただくことにしよう。

年の瀬に饅頭作り

お節はほぼ完了。後は詰めるだけ。

今年11月にスタートしたこのブログ。たくさんのみなさんに読んでもらえて、コメントも頂いて、どうもありがとうございました!

どうぞみなさん良いお年を。

ハッピーニューイヤー!

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